「無料コンテンツ」を読ませることは至難の業なり…

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メディカルコンテンツ株式会社 代表 田中 巧
 
 
「映画が定額で見放題」。最近こういったサービスが当たり前になりましたよね。昔なら一本一本レンタルしたり買っていたりしていたものも、いまの時代はほぼ「タダ」で手に入るようになっています。
 
 
厳密には定額料金を支払うため完全無料ではありませんが、それでも、何本でも何回観ても料金は変わりませんから、映画好きの方にとってはたまらないサービスなのではないでしょうか。
 
 
こういったサービスの中でも特に人気なのが「Amazonプライム・ビデオ」ではないでしょうか。配信中のラインナップを見てみると、昔の映画はほとんど見放題に近い感じです。おなじ本数をDVDで揃えようと思うとお金がいくらあっても足りません。
 
 
ただ、こういった「定額見放題」のサービスを利用していて感じたことがあります。
 
 
それは、気になった映画を見始めて、思ったよりも面白くなかったらすぐに消してしまうこと。そして、「もっと面白いものがあるのでは?」とすぐにほかの作品に移動してしまうことです。
 
 
これがもし映画館で観ているとしたら、お金を払っているので多少つまらなくても何とか最後まで見ようとするでしょう。仮に、レンタルでも数百円出費しているので、最後まで見てやろうという動機付けになるはずです。
 
 
このように、定額で見放題となった今の時代では、「人とコンテンツの関係」も変わらざるを得ないのかもしれませんね。
 
 
こういった見放題サービス利用者の中にはもしかしたら、ネットでだいたいのあらすじを読んでクライマックスシーンだけ見て終わる人もいるのかもしれません。結果、最初から最後までしっかり見た映画が一本もない…こういった方もいらっしゃるのかもしれませんね。
 
 
また、完全無料の「Youtube」だとこれがもっと顕著になるでしょう。
 
 
たとえば、Youtubeで10分以上ある動画を観るととても長く感じたりしませんか? 私はすごく長く感じてしまいますが…。
 
 
そして、これはもちろん「文章のコンテンツ」でも同じです。タダで読める「ネットニュース」「メルマガ」は、面白くなければ読むのを途中でやめる人も多いのではないでしょうか。
 
 
あなたはいかがでしょう? 私のこの意見に賛同してくれる方も結構多いのではないでしょうか。
 
 
つまり「無料で観れたり読めたりするコンテンツ」というのは、本当に面白いと思ってもらえなければ観られないし読まれないのです。むしろ、無料コンテンツのほうが人の目は厳しいのかもしれません。
 
 
したがって、無料コンテンツだからといって手を抜いてはいけません。ある意味、有料以上のハイクオリティでなくてはならないという発想の転換が求められるのかもしれませんね。
 
 
 
 
さて、「これまでニュースレターを自作して出していたけど反響が全くなかった…」という方もたまにいらっしゃいますが、お客様に無料で配布しているものだからこそ、クオリテイが高いものを提供していたでしょうか? 単に「どんなものでも出せばお客様が増える、結果が出る」と考え、クオリティはあまり考えず制作していませんでしたか?
 
 
おそらくこういった方が多いからこそ、ちょっと本気で取り組めば、ライバルに大きく差をつけることができるのです。
 
 
お客様に提供しているものは、たとえ無料であったとしても、お客様が大切な時間を消費してまでも、観たり読んだり参加したりする価値があるものでしょうか?
 
 
こういったことを再度確認してみるとよいかもしれませんね。
 
 

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