1年後、5年後、10年後に大きな収穫を得るための考え方
- 代表田中のよもやま話
- 2021-12-13
メディカルコンテンツ(株) 田中 巧
私を含め多くの経営者さんは、刈り取った収穫に一喜一憂するものです。
たとえば、「今日の売上はまあまあだった…」「今日は新規のお客がたくさん来た…」「今日は雨が降ったからお客が少なかった…」という「収穫」の部分についつい目がいきがちです。
もちろん、私自身も収穫の部分は気になりますし、経営においてこういった日々の数字を気にすることはとても大切なことでもあります。
ただし、こういった収穫の部分だけにフォーカスしてしまうのは、あまり賢明ではないような気がします。
なぜなら、種をまくからこそ収穫があるからです。
つまり、収穫が必要なら、まずは種をまかなければいけません。
こんな話があります。
ある少年がいました。彼は貧しく、食べるものに困っていました。
毎日腹ペコで「なんとかこの生活を変えたい!」と思っていたそうです。
ある日、彼は道端でジャガイモを1個もらったそうです。
とても貧しい彼にとってそのジャガイモは命をつなぐ大切な食糧でした。
しかし、彼はそれを死ぬほど食べたかったけど、食べませんでした。
食べずに何をしたかというと、そのジャガイモを土に埋めたそうです。
「数個育ててから食べるのかな…?」って私は思いましたが、しかし、少年の考えは違っていました。
そのジャガイモを埋めてしばらくすると、ジャガイモが育って5個できました。
そして少年は、その中の1個だけを食べ、あとの4個はまた植えてしまいます。
1個食べては4個植え…1個食べては4個植え…ずっと同じことを繰り返したそうです。
当然、ジャガイモはどんどん増えていきました。
そして、ある時期から、ジャガイモが増える量と自分がお腹いっぱいまで食べる量が逆転し始めます。
少年の畑は一面ジャガイモだらけになり、もうその畑には植えるスペースがなくなってしまいました。
そこで少年はその大量のジャガイモを売って、畑を手に入れようとします。
じゃがいもを売ったお金で畑を買い、今度は畑の数をどんどん増やしていきました。
じゃがいもを売って畑を買い…
またじゃがいもを売って畑を買い…この繰り返しです。
生活に必要なわずかなお金だけをポケットに入れ、残りは全て畑を増やすことに使いました。
そうなると、どんどん畑は増えもちろんジャガイモも倍増していきました。
ある日、少年はこう思うわけです。
「1個100円で売っているジャガイモ。これを200円で売れないかな?」
そこでもっと美味しくならないか?もっといい形にならないか?もっと大きくならないか?と研究や品種改良をいろいろ試し、それが実現すると、一気に倍の金額で売れるようになります。
それ以降は倍々ゲームで売上も増えていき、生活にも困らなくなってどんどん裕福になっていきました。
すると、少年はまた考えるワケです。「別に自分で管理しなくてもいいのでは?」って。
そして、自分に代わって販売や畑の世話をしてくれる人を探しお金を払ってお願いすることにしました。
すると少年は、少し時間にも余裕ができたので、別のことに専念できるようになりました。
そして今度は「カボチャ作り」や「品種改良」に精を出すようになったそうです。
いかがでしょうか?
この話を振り返ると、やっぱり最初の「もらったジャガイモを食べずに土に植えた」っていうところがターニングポイントになりますよね。
あのとき、もらったジャガイモを食べてしまっていれば間違いなく少年はずっと貧しい毎日だったわけです。
これって、私たちが営んでいる商売と全く同じですよね。
例えば、ビジネスがなかなか繁栄していかない経営者さんって、ジャガイモを2つ出されたら2つとも食べちゃうのかもしれません。
日々の支払いとか、雑費、生活費、ちょっとした贅沢なんかしちゃったりして、得た収入のほとんどを使っちゃったりしてしまいます。
しかしそうではなくて、その収穫の一部をまた土に植えて育てるっていう概念を持つと、ビジネスって大きく変わっていくのではないでしょうか?
つまり、将来に対して投資するって考え方です。
もちろん、いま赤字の場合はどう黒字に転換させるか、目先のことを考える必要はありますが、いましっかり黒字化して安定していたら、目先のことを考えるよりも1年後、5年後、10年後に大きな収穫を得るにはいま何をするべきか。
こういったことを考えることのほうが目先のことよりも何十倍も重要でしょう。
目の前のお客さんからお金をいただくことは、ジャガイモ(収穫)と同じです。
ただ、そのジャガイモをいつも全部食べてしまっていたら、次のジャガイモは育ちません。
そのジャガイモを、また土に植えて肥料や水を与えて次のジャガイモを育てないといけない。
当たり前のことですが、それがご自身の商売の永続と発展に必ず繋がっていくはずです。
いま手元にあるジャガイモ、あるだけ全部食べようとしていませんか?
次の収穫のために、ちゃんと種を撒いて、水や肥料をあげて下さいね。
刈り取った収穫でその日その日を判断するのではなく、まいた種によって判断しなさい
by ロバート・ルイス・スティーブンソン(『ジキル博士とハイド氏』を書いた小説家)
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