生き残るためにはお客様と長く付き合うしか方法はない
- 知らなきゃ損するマーケティングのお話
- 2022-10-24
メディカルコンテンツ株式会社 代表 田中 巧
今、どの業界も新規客を集めることに頭を悩ませています。
なぜ新規客が獲れなくなったのかというと、「消費者の広告を見る目が肥えてきたこと」「簡単にネットで比較検討できること」「競合が増えてきたこと」「人口減少で市場の絶対数が減ってきたこと」などいろいろあります。
その結果どうなっているのかというと、新規客を集めるためのコストがどんどん上がってきているのです。ちょっと前までは新規客を1人集めるために1万円かかっていた広告費が、2万円、3万円と上昇しています。おそらくこの上昇は、今後止まることはないでしょう。
したがってこれからの時代に、新規客をできるだけ安く集めようと試行錯誤するのは、言ってみれば下りのエスカレーターを必死に登るような行為なのかもしれません。
おそらく新規客を多く集めようと努力するよりは、既存のお客様と長く付き合っていくことに時間やお金を投資した方がだんぜん費用対効果は見合ってくるはずです。
よって、私たち経営者はこれから「ライフタイムバリュー」と呼ばれる顧客の生涯価値を高めていくしかないのです。
たとえ、新規客を集めるコストが1人2万円かかったとしても、そのお客様と長く付き合い、それを上回る収益を上げるようにしていかなければならないのです。
現代のマーケティングのウェイトは「新規客獲得単価を下げる」よりも「顧客生涯価値を高くする」方向に移行しつつあります。そのためには、今のお客様を大切にしてしっかりフォローすることが大事でしょう。
では、顧客フォローは何から始めていけばいいのでしょう?
まず、オフライン上のフォローでは「ニュースレター」がダントツです。
というより、「情報量がしっかり載せられる」「定期的に接触ができる」「老若男女全ての顧客をしっかりフォローできる」といえばこのツール以外ほかに見当たらないかもしれません。ニュースレターにチラシなんかを挟んでお渡しすれば、コミュニケーションと販促の両輪で効果を発揮しますので一石二鳥です。
また、ニュースレターのほかにフェースブックなどのような「SNS」を活用していくのもベターな方法でしょう。ただし、間違えないでほしいのは、SNSだけでフォローを完結してしまわないということです。正直、デジタル媒体はやっぱりどこまでいってもデジタルなのです。
人間関係の基本はアナログです。「紙のツール」だったり「対面での接客」がやっぱり基本です。
あなたも、相手と人間関係を築こうとした時、メールやSNSだけで連絡を取りあうよりも、直接会って話をした方が関係が築きやすいと思いませんか?
また、同じ文章が書かれてあっても、メールやSNSよりも、紙媒体の方がだんぜん印象や記憶に残ったりしませんか?紙の質感やページをめくる感触なども大きく印象を左右すると思います。
実際に、紙の本と電子書籍については様々ところで研究されており、いずれも紙の本のほうが記憶しやすいと結論づけているそうです。本の重さや手触り、紙の匂い、ページをめくるときの音、装丁などによって五感を刺激するため、それらの情報とともに無意識のうちに記憶するとも言われています。
(参考サイト)「電子書籍」と「紙の本」どっちがいいか 脳科学の専門家の見解
そして、アナログツールのもう1つ良い点は手間がかかるという所です。
手間がかかるから誰もやりたがらない、だからこそそこにチャンスが潜んでいます。
例えば、新年の挨拶をもらった時、「年賀はがき」と「メール」どちらが心がこもっていると感じますか?当然ですが前者のほうですよね。それはどうしてかというと、送り手の手間を感じるからです。
デジタルはお手軽ですが、反面、受け手には手軽に扱われている感じが伝わってしまいます。だからこそ、人間関係はいかに手間をかけるかがとても重要に思いませんか?
手間をかけてない(軽く扱っている)うちは、絶対に良い人間関係は築けません。もしかしたら、書くのも送るのも手間がかかるアナログ媒体に勝るものはないのかもしれません。こういった理由から、やっぱり人間関係の構築はアナログが基本なのです。
ぜひ、あなたもお客様のフォローを充実させて顧客生涯価値を高めていってください。お客様だって、長くお付き合いできるところがある方が絶対に良いですし、安心なのですから。