どの業界でも顧客を手厚くフォローしているところが勝っている
- ニュースレターを成功に導く考え方
- 2020-06-08
メディカルコンテンツ(株) 田中 巧
どの業界でも勝っているところは、お客さんを手厚くフォローしているんですね。
今回はその事例を1つご紹介させていただきます。
人口わずか5500人ほどのとある町に、家電販売店を営む「家電サポートいまい」というお店があります。
このお店はある経営手法を取り入れ売上を約2倍にしたそうです。
その方法とは、客層の徹底した絞りこみです。
書店に並んでいる「ビジネス書」には、よく「顧客を絞り込め!」「商品を絞り込め!」「エリアを絞り込め!」と書いてあったりしますが、それをこのお店は素直に取り入れたわけです。
手はじめに何から始めたのかというと、まず顧客の単価アップを目標にして、よく買ってくれるお客様100世帯をピックアップ。
そして、その優良顧客たちに、週に2回訪問する顔出し営業をスタートします。
さらに、その時期に必要となったり、足りなくなりそうな商品を紹介するチラシを週に1回届けたそうです。
ライバルの大手家電量販店は週に1回の新聞折込チラシを撒くだけだったので、それらの3倍の接点を持つことで接触頻度を圧倒しました。
つまり、優良顧客を徹底的に囲い込んだのです。
そして、このようなアナログ営業が効果を出し、年間100万円以上も買ってくれるお客さんが何人も出てくるようになり、結果お客さんの平均単価は急上昇して、売上は2倍以上伸びたそうです。
ところが…この営業手法は長くは続きませんでした。
ある時点から突然売上が下がり始めたのです。
「なぜだ? 優良顧客をしっかりフォローしてるはずなのに…」
うまく行かなくなった原因はあきらかでした。
それは、小さすぎる商圏で一部の顧客のみにセールスしまくれば、あっという間にお客さんの財布は空っぽになってしまうからです。
つまり、あまりにも優良顧客に依存し過ぎてしまっていたのです。
そこで社長は考えました。「目先の単価アップを考えるのではなく、10年先を見据えた囲い込みが大事」だと。
そこで、自分のお店から半径5キロの範囲に商圏を広げて、そこから安いモノだけを求めるお客よりも、「サービスが良ければ価格は問わない」といったお客だけに絞り込んで手厚いサービスを提供し、長期にわたって関係を築いていこうと決めました。
例えば、テレビやエアコンなどリモコンを使う製品を買っていただいたお客様には1年ごとに電池を無料交換。1年以上購入のないお客さんには、手書きであいさつ状を送るようにしました。
何年もご無沙汰だったお客さんが乾電池一つでも買いに来てくれたら、そこからまた関係性が生まれるので、まずはその関係性を作ることだけを目的として、あいさつ状では商品の売り込みをほとんどしませんでした。
それでも、手書きのあいさつ状を送ったお客さんだけで年間で数百万円もの売上が上がったそうです。
もちろん、手厚いサービスをする代わりに商品の販売価格は高めに設定。
仕入れ先の卸業者からは「いまいさんのところが一番高い」と言われるくらい値段が高かったそうです。
そして、高価格にして得られた利益を、お客さんとの関係性を保つために再投資していきました。
こういった戦略を取るようになったところ少しずつ経営は安定していったそうです。
単純に“顧客の絞り込み”と言っても、その絞り込み方ってとても重要ですが、どちらにしても客層を絞り込み、その顧客との接点をライバルに負けないレベルで保ち続けることが大事ということには変わりないでしょう。
顔をあわせるコミュニケーション、電話でのコミュニケーション、メールでのコミュニケーション、手紙でのコミュニケーション。 さまざまなことを実践し、費用を使ってお客様と接触するしかありません。
とても地味なことで手間も時間もかかりますが、うまく行っているところは皆、これらをしっかりやっています。
こういった戦略は、ライバルや情勢にも負けず売上をアップさせるためには必須項目でしょう。
ちなみに、私の知り合いの整骨院の先生にも、これと同じようなことをしてうまくいっている方がいます。
その先生は、患者さんをしっかりと絞り込んで、自費診療に特化して経営しています。
30~40代の子持ちの女性にターゲットを定め、美容系の施術を自費診療のみで売っています。
逆に、「男性患者も保険の患者も一切診ない」と決め、対象外の患者さんは治療せず帰ってもらっています。
しかし、女性の優良患者さんには、しっかりとカウンセリングの時間を取って、他ではできないような施術を提供しています。
もちろん、こういった患者さんにはニュースレターもしっかり出していて、定期的なフォローもかかさず行っています。
どういった顧客層に対し、どのような形でフォローを手厚くするのか。
どの業界でも勝っているところは、こういったことをしっかり考え実践しています。
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