業界1位と2位以下の経営戦略は全くちがう!
- 知らなきゃ損するマーケティングのお話
- 2022-04-25
メディカルコンテンツ株式会社 代表 田中 巧
あなたは経営をされる上で、ご自身の業界内・地域内でのライバルの動向を気にされていますか?
「ライバルのことなんてあまり気にしない、ベストを尽くせば結果は出る!」と考えている経営者さんもいらっしゃると思います。
もちろん、こういった「プライド」を持つことはとても大切なことだと思いますが、こと経営においては、ライバルと自分の位置関係をしっかり知ることも大切なことでしょう。
そこで今回ご紹介したいのが「ランチェスターの法則」です。
このランチェスターの法則は、企業のマーケティング戦略においても非常に参考になることが多いため、あらゆる業界で活用されている法則です。
とても有名な戦略なのでご存知の方も多いのではないでしょうか?
航空機のエンジニアだったF・W・ランチェスターは、第一次世界大戦時の戦力分析や戦略上の法則の発見で有名になった人物です。今では経営学においても頻繁にランチェスターの法則が語られるようになっています。
このランチェスターの法則で最も大切な部分を簡潔に説明させていただくと、
●その業界で1位の「強者」は、弱者との戦いを「多対一」になるよう「総力戦」で圧倒するのが有利である。
●一方、業界2位以下の「弱者」は、なるべく「一対一」の戦いにもちこめる場面を選び、戦力を一点集中する「ゲリラ戦」の方が有利である。
こういったものになります。この法則をビジネスに当てはめるとこのようになります。
例えば、あなたの会社が業界内でのシェアがナンバー1の「強者」だとしたら、「幅広い商品のリリース」「様々な顧客層にアプローチ」「販売エリアは広域的に攻める」こういった戦略が有効になります。こうすれば物量や人員、経済力に劣る小さな企業は力負けして駆逐されていきます。
一方、シェアが少ない2位以下の「弱者」なら、「商品は差別化し一点集中」「エリア戦略は局地的に」「人間関係もピンポイントで構築する」、このような強者がなかなかできないような場面を選び、資源をそこに集中投入するのが有効です。こういった局地戦で戦いながら強者企業を破ることができたら、そこからジワジワと影響力を広げることも可能になります。
この戦略を具体的に小さな会社やお店のケースに当てはめてみるとこんな感じでしょうか?
小さな会社が大資本の大企業と対峙する場合、顧客へのアピールは「●●の分野に特化していて強い」こういった大企業との差別化を打ち出してアピールしていったほうがよいでしょう。
大企業は高額な設備や多くの人員を維持しなくてはなりませんので、一人でも多くたくさんの顧客を集めなければ経営が立ち行きません。たくさんの顧客に様々なサービスを提供できることは大企業の強みではありますが、その一方で専門性が薄れてしまうといった弱点もあります。こういった弱点を小さな会社は逆手に利用するのです。
1つの専門分野に特化し、その分野で大企業との差別化を図ることは、小さな会社やお店でもそれほど難しくないのではないでしょうか?
また、これはエリア戦略でも同じです。
例えば、大資本の大企業であれば広域に大量のハガキやDMを送ったり、新聞の折込チラシやテレビコマーシャルだってできるかもしれません。これをやられると小さな会社は太刀打ちできません。
そこで、小さな会社の場合は自社の周りの●●町●●丁目だけに集中し、より密に「直接手渡しで手紙を配る」なんて戦略を取ってみることもありでしょう。もちろん、そのエリアに住んでいる方々との付き合い方でも大手とは違った工夫ができるはずです。
例えば、その地域で知られている会社の経営者さんとか、その地域でオピニオンリーダーになっている町内会長さんなど、より小さなエリアのキーマン的存在の人たちと個別の人間関係を集中して作るやり方もありかもしれません。限られたエリアでの勝利を収めれば、徐々に次のエリアにもチャレンジしていき、どんどん影響力を広げていけばよいのです。
ランチェスターの法則が教えてくれるのは「自分が業界1位なのか」「それとも2位以下なのか」それによって戦略が全く異なるということ。そして、自分の立ち位置を把握したうえで今後の戦略を変えていくことの大切さです。
いかがでしたでしょうか?
今回のこの話で何か気づきを得ていただけたなら、ぜひご自身の業界内・地域内での立ち位置を把握することから始めていただき、今後の戦略を練っていってみてくださいね。